立ち呑み日記・本を売る [ワルガキ]

春めいて来たので重い腰をあげて、山と積まれホコリのたまった『ワンピース』(フランス語版)つごう二十なん巻を売りに行くことにしました。

『ワンピース』、うちの子どもらも例にもれず首ったけでした。新古本と新刊がともにならぶ大型書店へ続きを買いに行くのを待ちかねていたもンです。

日本人のオカーサン(ワタシです)としては日本語で読んでほしいものの、友だちとの貸し借りや、そもそも本人の言葉の理解度の都合上、フランス語翻訳版致し方なしとみとめました。

フランス語に翻訳されたマンガをめぐる、日仏混血児と日本人オカーサンオトーサンの攻防および日本側の劣勢については、かねてから聞き及んでましたからね。

新刊だとマンガ本だというのに7ユーロ(約1000円)もして、新古本は4.6ユーロ(約500円)というなら、安い方に手が伸びるのは当然でありましょう。

あるとき売り場に行くと、同じように子どもに頼まれて来たとおぼしきオトーサンが、やはり安い方の背表紙をぬいていました。

42、3巻あたりだったでしょうか。

「最終巻の新古本、一冊だけ入荷しましたよ」
と、そこへ親切そうに話しかけてきた店員さん。

最終巻の新古本はめったに出ないので、今のうちに買っておくのが得策、とのことでした。

「いや、やめとくよ」
と、そのオトーサン。

オトーサンの11歳のムスコは、それまでは続巻を買って買ってと矢の催促だったのが、今回に限ってオトーサンのほうから
「続きはもう読まないの?」
と尋ねたのだそうな。

「うーん、じゃ、いちおう買っといてもらおうかな」
との返答で、熱中に陰りが出てきた。

最終巻までたどりつくことなく買い取りコーナーのほうへ手元の巻全部持って行くことになりそうだ、と、そのオトーサンは店員さんに語っていました。この大型書店には古本と古DVDの買い取りコーナーがあるんです。

このときには、わが身に同様のことが起こるとは予想だにしていませんでした。

が、うちは20なん巻で挫折、といいますか、
「じゅうぶん堪能した」(子どもら談)。

そこでエコバックにみっしり詰めこんで腕が抜けそうなところをエッチラ運び、買い取りコーナーに人生お初で並んでみたわけです。

列にいるみなさん、長期旅行に出るのかというほど大型の旅行鞄を横に置いておられる。全部本です。

ところが見ていると、番が来ていよいよカウンターに積み上げたところから半分も買い取ってもらえたら御の字、という感じなんですヨ。

額に汗してここまで運んで来たというのに、無情にも半分が旅行鞄に逆戻り。本に汚れがあったら仕方ないとしても、在庫が足りていたり、あと、稀覯本以外の絶版本などもとってもらえないみたいなんです。

不安がつのって来ました。

ついにワタシの番が来て、身分証明書を出し、『ワンピース』を積み上げます。さすが売れ筋、店員さんは本のコードをピッとかざすや、やれうれしや次々と買い取りのほうのカゴへ。

4冊のみ、ただ今在庫が足りているのだそうで
「何か月かおいてまた来てみてください」
とのことで、つごう60ユーロ(約8000円)くださいました。


P1000329.JPG
雨の合間に立ッ派な入道雲が出たのでパチリ。写真が下手なせいで「立ッ派」がいまひとつ伝わらなくて平にご容赦。

前菜は、アボカド、しぼったライムで
主菜は、オッソブッコ(仔牛の骨肉トマトソース煮)とねじねじマカロニ、モロッコいんげん塩茹で

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