立ち呑み日記・ファラフェル [おやつ]

夕刻、10歳のムスコをマレー地区にあるチェス教室におくりとどけたら、お昼はちゃんと食べたというのになんだかどうもお腹がすいている。

マレー地区はユダヤ人街で、チェス教室の目と鼻の先が、その中心街ロジエ通りです。

チェス教室が終わるまでの間、ふだんは大通りのカフェで時間をつぶすんですが、今日はどうしたわけか磁石に引きつけられたがごとくロジエ通りへ足が向かったんですね、

ロジエ通りはファラフェルというつぶし豆の丸いコロッケを生野菜や揚げ野菜がピタパンにどーっさり詰めた中東風サンドイッチが名物です。

が、この時点で「食べる」と決めたわけではありません。そりゃ食べたいけどごはんどきでもないのに手を出したらねえ・・。せっかくだから香りだけでも・・

・・と、つらつら考えつつファラフェル屋さんへ近づくともなく近づいたら、
「ファラフェルサンド『で』いいね」
と、断定的に話しかけてきた、外で店番していたユダヤ人のオジサン。ポケットを金庫代わりにレジ係をつとめています。

さすが商売上手と唸(うな)りましたね。

これが街角のクレープ屋台なら、会計係は焼けた鉄板の向こう側にいて、長―い行列ができていようともお会計は焼き上がったクレープと引き換え。

(やっぱりやめとくかな)
と、客が列から離れてしまえば売り上げをみすみす逃がすこととなります。

そこいくとシェークスピアもそれと見込んだ商売上手は、とにもかくにもお財布を開かせちゃう。

「普通盛りだね」
と、オジサンはこちらが買うと決めてかかり、今にもチケットを切ろうと身構えます。

「イイエ、においだけよ」
と、断るつもりで開けた口で、
「エエ、熱々でお願い」
と、言ってました。

ユダヤ商人にかかっちゃ仕方ない、
という非の打ちどころなき口実が、すぐさまわが心の中に生まれました。

ファラフェルサンド、久しぶりだナ。

ファラフェルって、揚げ物なのにとんかつソースやマヨネーズやケチャップの味つけでないのが初心者のころは面食らったものですが、慣れるに従ってどんどん好きになってくるタイプの味です。

味つけは、白ごまペースト味。

「だからそれどんな味のサンドなのヨ」
というお声が聞こえて来たようですが、エート、丸いピタパンの中に千切りキャベツ、トマト、揚げナスをみっしり詰め、その上にコロンとした揚げたておからコロッケを五、六個積み上げ、そこへつぶした胡麻豆腐をかけまわした、テナ感じ(想像つくかナ)。

本日は、真っ赤な辛味ソースもちょっぴりかけてもらいました。

この店は世界のどの観光ガイドブックにも載っているほどの有名どころで、洋の東西の観光客と地元民でいつもたいへんな行列です。

「ハイ」と手渡されるのももどかしく、すぐさま食べたいのにおテンコ盛りのどこからかぶりついたらいいのか迷うのも、ファラフェルサンドらしいです。

かみついたところからコロッケがころがり落ちそうになるのを大急ぎでもうひと口、ピタパンが破けて野菜がこぼれそうなところをさらにひと口と実に狂おしく、持ち重みするまでのボリュームなのにたちまち胃袋へ雲散霧消しました。


P1000089.JPG
「神話の創始者・ヘラクレスからダース・ベイダーまで」という、ルーヴル美術館の展覧会のポスターなんですが、タヌキが入るとがぜん道の駅のポスターっぽくなりますネ。

前菜は、トマトと千切りニンジンのサラダ
主菜は、鯛切り身の塩焼き、ニンニク風味じゃがいもピューレ、いんげん塩茹で、グリーンサラダ


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