立ち呑み日記・和食と洋食 [真夜中]

「洋食と和食、どちらになさいます?」
という質問にすかさず、「洋食で」

年末年始の一時帰国もあっという間に終わり、ただ今パリ行き飛行機の中です。

深夜1時半羽田発なので、うちで晩ごはんをゆっくり食べ、ワインも飲み、テレビ観ながら発泡酒なんかもついクイクイやり、9時半過ぎに、さてそろそろと実家を後にしたんです。

とはいうもののこのあと前夜同様に布団へもぐりこむのみという気がして、これから飛行機で12時間半の長旅が待っている実感がわいて来ません。

が、滞在中敷きっぱなしだった布団をあげて天日干しにすべきものは干し、洗うべきものは洗いすっかり片付けてしまったので、もはや寝場所は、なし。

深夜ひっそり日本を発つことになるだろうと羽田国際線出発ロビーに着いてみれば意外や意外、明治神宮の初詣もかくやのたいへんな行列です。

羽田発の深夜便ってパリ行きだけでなくいろいろあるんですネ。

並びに並んでようやく搭乗券を手にしましたが、ひと息つくにはまだ早く、もうひとつ行列の尻尾について税関をくぐらないとなりません。

「深夜便なら食べ物持参したほうがいいわヨ」
と、パリの日本人オカーサン仲間から入れ知恵があったので、万一に備えおにぎりとゆで卵のどっさり入った手提げを抱えています。

このオカーサン仲間は機内食をたのしみに乗り込んだところ、離陸して平行飛行になったとたんに照明が落とされ、出ると思い込んでいた通常一回目の機内食が出なかったのですきっ腹抱えて往生したそうです。

午前1時半発で到着が現地時間の朝6時ですから、眠りやすい環境がすぐさまととのえられるほうが理にかなっているともいえますが。

ワタシら家族もシートベルト着用のランプが消えてシートをたおすや即座に正体不明となりました。

ずいぶんたって目が覚めたので映画などぼんやり観ているとにわかに明るくなり、通路をワゴンがしずしずとやって来ます。

そこでこの文章の冒頭の質問です。実家でおせちをさんざんつめこんで来たので、気分を変えて洋食と思ったわけですね。

「まこッとにありがとうございますッ」
と、するとキャビンアテンダントさんは最敬礼をもって謝辞をお述べになられました。
「洋食はコーンスープがそれはもうとおーってもよろしゅうございますよ」

ハハーン、さては和食ばっかりが出て困っておられたんだナ、と、ワゴンの状況がうっすらわかった気がしました。

じっさい周囲を見回しても、笹の葉にくるまれたご飯つき幕の内弁当ばかりが並んでいます。では洋食をいただきましょうか、と、四角い器のアルミをめくりました。

ウーム・・

主菜は、じゃがいもピューレにかけられたコーンスープ。いえね味は美味しいんですヨ。でも生ぬるくってなぜこの組み合わせにしたのか歯ごたえが全然なくって、なんといいますか、機内食というより病人食、その印象が否めない。

横に添えられた南仏野菜のサンドイッチがまたひんやりもひーんやり、解凍したてのお味。

なるほどそういうことであったか、と、周囲でさかんに湯気を上げているお味噌汁をうらやましく眺め、でもまあせっかくですから最後までいただきました。


P1010831.JPG
パリ市庁舎の前に無料スケートリンクが出来ているんですが貸靴(有料)に大変な行列です。

前菜は、サラダ・ピエモンテ(トマトとゆで卵とじゃがいものマヨヨーグルト和えサラダ)
主菜は、鶏ロースト、じゃがいもロースト、いんげん塩茹で、グリーンサラダ

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