立ち呑み日記・惜しみなく [買い物]

『惜しみなく愛は奪う』って、そいうえばあったナ、と、朝市の八百屋でおつりを待ちながら不意に思い出しました。

有島武郎で新潮文庫だったナ。読んではないけどナ。

「パセリ欲しい?」
と、そこへおつりとともに八百屋のご主人。

「いりますいりますおねがいしまーす」

惜しみなくパセリはいただく。奪わずとも、朝市の八百屋であれこれ買い物するとパセリをおまけしてくれるんです。

「冷蔵庫に前回のがまだ残ってるから」
などと遠慮せず、惜しみなくいただく。

「パセリなんて買ったことないワ」
と、結婚したてのころひとの買い物かごをのぞきこんだ大先輩オカーサンが(こんなものにお金払うの?)とばかり言っていたものでしたが。

若いワタシはオットと二人気楽な生活で朝市ごとに買い物などせず時に冷蔵庫がカラッポのカラッポになり、だからといって困ることなどこれっぽっちもなく、「なんか食べに行こう」、これですんでいた。

買いものは晩ごはんにお客様があるからこそで、薬味に使うバジリコやコリアンダーなどとあわせてパセリも一束、かならず買う。

その買ったパセリを、大先輩オカーサンなどは毎度毎度プレゼントされている、と、いうんですね。

「使い切れなくて困っちゃうワ」
とも、言うんです。

なんというぜいたく。なんというVIP扱い。

入り口で選別のあるディスコに無料の顔パスで通され、黒服にそのままVIPルームへ案内されるがごとき特別待遇です。

いつかはワタシも・・と、夢見ましたね。

やがて家族も増えて三度三度ちゃんとした調理が必須となり、朝市のたびに買い出しするようになりました。

するとワタシもVIPへとみごと格上げとなったんです。

八百屋でくださるのは、葉の平たいイタリアンパセリ。魚屋でもくださるんですが、こちらは日本でよく見かける葉のちぢれたほうで、なぜか八百屋とは住み分けが出来ているもよう。

イタリアンパセリのほうが、葉がやややわらかです。サラダの香味野菜にも使いますが、茎を細かく切って、野菜スープでも必ず煮込みます。

今やパセリ長者ですから、惜しみなくどんどこ使う。

レバノン風お総菜屋には、細切れパセリが大半を占めるレモンドレッシングのサラダがあるんですが、これなんかも作っちゃう。

ひきわり麦を入れるのが本場風、でもパセリだけでも十分おいしいです。

まだ試してはないんですが、「ためしてガッテン」のレシピによると、フライパンで蒸しておひたしにすると香りが封じ込められたいへんヨロシイそう。

レストランでは皿の飾りとして使い回ししている、などとかつては悪名高かったパセリですが、今はクックパッドなどにもレシピがたくさん紹介されています。

が、あの香りを嫌うひとは徹底的に嫌いますね。

「スジが歯にはさまる」
と、ワタシら世代以降は、このへんからも疎遠になりそうではあります。


P1010487.JPG
秋も深まってきました。

前菜は、薄切りマッシュルームのサラダ、ベルギーチコリのサラダ
主菜は、七面鳥のカツ、根野菜入り炊き込みご飯、インゲン塩茹で

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