立ち呑み日記・お祝いの万年筆 [買い物]

友人の息子さんのバルミツバのご招待を受け、お祝いを買いに大きな文房具屋へ行きました。

バルミツバ、というのは、ユダヤ教の元服式みたいなものです。13歳でユダヤの男として一人前のあつかいを受けることとなり、ユダヤ教会の礼拝で旧約聖書をヘブライ語で朗読する行事。

その後が大パーティーです。

ひとによりけりではありますが、規模といい結婚披露宴みたいな感じです。一生に一度の記念ですからおのおの趣向を凝らし、ホテルの宴会場で大々的に行う家庭もあれば、うちうちで小規模に祝う家庭もまた、あります。

友人は自宅アパートのリビングとそれに続く書斎の敷居をはずして大広間にして、黒服つきのケータリングサービスでアットホームかつ華やかにとり行うもよう。

一人前のユダヤの男の仲間入りとなる少年は、お祝いの品を拝受します。

わがオットもユダヤ人ですが、今も日々身に着けているスイス製の腕時計がまさに、バルミツバのお祝い品です。

そこで友人の息子くんへの贈り物を選ぶわけですが、13歳の門出といったら万年筆ほどふさわしいものはほかにありますまい。

みなさんも、中学校入学のお祝いに万年筆、いただきませんでしたか?

あのころは小学校を卒業した春休みの吉日にお父さんお母さんに連れられてセイコーないしはシチズンの腕時計を買ってもらったもので、万年筆は親戚など近しい大人からお祝いにいただいたものでした。

セーラー、プラチナ、パイロット、なんていうのが標準どころ。そのワンランク上にパーカーが燦(さん)然と君臨している(と当時は思いこんでいた)。

さてこの大きな文房具屋にはついこないだまで高級文具専門支店があったはずなんですが、改装されてCDとDVDコーナーになりかわってました。

いいほうの万年筆はどこ? と聞くと、
「すぐ隣りにある本店の地上階に移りました」

その埃(ほこり)じみたガラスケースの貧弱なこと。貧弱ななかに700ユーロ(約9万円)もするモンブランなどがこれまた雑然と置かれています。

(大丈夫なの?)と、不安が首をもたげてきますが、万年筆に罪はなし、いずれなかなかのお値段のところお財布と相談し、13歳に見合った、とはいえ長らく使えそうな、ウォーターマンの万年筆を選びました。

ノート類の搬入をしていたTシャツのお兄さんが汗拭き拭きガラスのショーケースを開けてくれます。

およそ高級品とは思えぬ扱い方。でもちゃんと保証書もついています。が、レジにもっていくとなんとまあ、包装は「できない」というんですね。

なんとなれば、包装する場所などどこにもないし、だいいち「パーカー」と書いたリボンは残ってるけど
「ウォーターマンのはないみたいっすよ」。

「あるじゃないのよホラここに」
と、口調ややとげとげしく、レジ脇のパーカーのリボンの下へ勝手に指をつっこみごそごそして探し当てました。

経営方針がかわって高級文具の規模縮小のせいらしいんですが、たいへん釈然としない心境で万年筆と包装紙とリボンを受けとり、家に帰って宴の始まる時間を気にしながら大急ぎでワタシが自分で包みました。


P1010379.JPG
小春日和が続いています。

前菜は、乾燥エシャロットをふった赤カブサラダ
主菜は、目玉焼きをのせトマトソースをかけた七面鳥の腿肉ロースト(昨日の残り)、サフランライス、インゲン塩茹
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