立ち呑み日記・たまご何個 [前菜]

冷蔵庫から卵を取り出しながら、つらつら考えた。ゆで卵は、ひとり普通何個まで食べるものなのか。

一個で十分でしょうが、と、いう声が、聞こえてきたようですが。卵はコレステロールが高いから一日に一個か二個、と、いうのは、もはや常識です。

その常識に、ちょこっと目をつぶっていただきたい。ゆで卵は何個までならおいしく食べられますか。

一個か二個、というのが、やはり普通のお答えでは、ないでしょうか。なんとなれば、ほかにも食べるものがある。ゆで卵ばっかりそうすすめないでよもうッ、と、オコりだす人も出てくるはずです。

ホラ、ホテルの朝食バイキングを思い浮かべていただきたいんですが・・

マカロニサラダ、キュウリと海藻のサラダ、プチトマト、コーンスープのポット、なんかが置いてあるテーブルに、むいたゆで卵ばっかり入った、大きなボールがある。

このボールから、五個いっちゃおうかナ、と、皿に取るひとは、そう多くはいますまい。

遠慮しないでどうぞどうぞ、と、係りの人がいやがおうでも5個はお皿にのっけてくる、なんていうサービスがあったとしら、多くのみなさまは遠巻きにして近寄らず、アジの干物や筑前煮のテーブルのほうへ、しぜーんと近づいていくことでしょう。

あ、年季の入ったオカーサンは、別です。こういうオカーサンは、率先して係りの方から五個いただきますね。

このうち一個はおいしく食べますが、残り四個は、紙にくるんでこっそりバッグにしまい、あとで小腹空かせた時の、おやつにする。

バイキングでそんなことしちゃいけないんだよ、と、まわりのものは見とがめますが、
「あらだって係のひとが勝手にお皿へのせるんだもの」
と、反論しがたい言い訳が、なりたちますからね。

それにしても、ゆで卵をたてつづけに五個は、今日ではもはや、苦行のたぐいではありますまいか。

苦行というよりダイエット、と言い切る人も、いるらしいですが。大学で教鞭をとっている友人がアメリカの大学に招かれて行ったところ、先生たち専用の食堂で、ダイエットのためにゆで卵五個とコカコーラ(大)、以上、という食事をしているひとを、一人ならず見かけたそう。

日本でも、卵ばっかり食べる、不思議なダイエットが、以前に流行りましたよネ。

デンマークだかの国立病院が提唱し、二週間にわたって三食を卵ばっかり食べるという、実にまことしやかで、どう考えても理不尽な方法。

しかし当時、知り合いは、この方法で本当に痩せました。

ワタシらの親世代が若い頃などは、卵はごちそうだったので、ゆで卵のばっかり食べには、アコガレたそうです。

1950年代、そのスマートさで人気を博したジャズ評論家で司会者の小島正雄という方は、
「今朝はぼく五個食べてきました」
なんて、ラジオ番組でいつも語り、当時の若者は、いつかは自分も、と、夢に描いたものだそう。

この時代は、ゆで卵でなく、うで卵、と言っていました。


PIC_4517.JPG
ジューンブライド、ですネ。

前菜は、イクラをのせた生クリームつきブリニス(甘くないパンケーキ)、ラディッシュ
主菜は、残り肉、レンズ豆の煮込み、ゆで卵入りサラダ、

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。