立ち呑み日記・カマボコわが愛 [前菜]

日本の実家から、小包が届きました。

お歳暮のおすそ分け、とのことで、カマボコ各種です。イソイソと手に取ってみれば、オヤオヤ賞味期限が、あと数日に迫っていた。

と、とたんに、「天国と地獄」が頭の中で鳴り響き始めました。とにかくこれを消費せにゃならぬ。

このカマボコは、富山県ので、親しくしている方の故郷の名産です。富山県のカマボコは、他県とは製法が異なり、食紅で染めて固めに焼きこんだ薄いカマボコを、白いところへナルトのように赤く巻き込んだ、「赤巻(あかまき)」というのが、一般的なんだそうです。

小包に入っていたのも、それでした。

歯ざわりも、東京地方で食べなれた小田原カマボコの、歯にはじくようなぷりりんとした強い弾力とは、また少し違います。ぷりりんはぷりりんでも、もう少しやさしいぷりりん。

さて、どうやって食べるか。

切ってお皿にのせるだけでしょうが、と、おっしゃりたいでしょうが、それだとフランス人のオトーサン(ワタシのオットです)は、拒否、なんです。

このままで食べてもおいしくない、とさえ言い放つ。

食卓でそれを聞きつけるや、ワルカギ二匹も
「おいしくない」「おいしくない」
と、まだ口に入れてもいないくせに迎合するのは、必至。

ならオカーサンが一人で食べますッ、と、こうなるのが目に見えているんですね。

オトーサンは、さいの目に包丁を入れて、トマトとバジリコの葉とまぜてサラダにすると、オイシイオイシイもっとちょうだい、と、おかわりさえします。でも、そんな食べ方をしたら、せっかくの富山の名産が、あまりにもったいない。

ハテどうやって食べたらいいか。

全国かまぼこ連合会、というところのホームページを見たら、洋風料理が幾品か紹介されていました。カマパッチョ、という、薄切りにしたカマボコをカルパッチョ風にしたものや、笹かまぼこを土台にしたピザ、などなど。

どれもみんなおいしそうです。

しかしそれらは、カマボコが気軽に手に入る日本だからこその、目先をかえた食べ方ではありますまいか。こちらめったに食べられないっていうのに、そんなぜいたくなこと、しちゃっていいんでしょうか。

だめです、と、心の中で何者が、鳴り響く「天国と地獄」を切り裂くように、宣言しました。やはり、包丁を入れただけのをワインのつまみにしたい。

とはいえ、一人で丸々一本をひたすらに食べるというのもあれなので、トマトサラダにも、しぶしぶ半分入れました。

さいの目に包丁を入れてサラダにまぜこむ瞬間は、ああもったいない・・と、断腸の思いでしたが、食べてみると、これがまたたいへんによろしくて、相当なお大尽をしている気分になりました。


PIC_3636.JPG
英霊廟パンテオンの前のクリスマスツリー。子どもはここで鬼ごっ
こをするのが好きですが、本日はあいにく小雨もやい。

前菜は、カマボコ入りトマトサラダ、
主菜は、スパゲッティ・ミートソース、インゲン塩茹で

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